前立腺炎
前立腺炎は、男性特有の臓器である前立腺に炎症が起こる病気です。排尿や性生活に支障をきたすだけでなく、腰痛や倦怠感など、さまざまな症状を引き起こすため、早めの診断と治療が重要です。
前立腺炎の症状
前立腺炎の症状は、大きく排尿症状と局所症状に分けられます。
排尿症状
頻尿
トイレに行く回数が増える
残尿感
排尿後も尿が残っているような感覚
夜間頻尿
夜中に何度もトイレに行く
排尿痛
排尿時に痛みを感じる
尿勢減弱
尿の勢いが弱くなる
尿失禁
尿漏れ
局所症状
会陰部痛
陰嚢と肛門の間の痛み
恥骨痛
恥骨周辺の痛み
腰痛
腰の痛み
精巣痛
精巣の痛み
射精痛
射精時に痛みを感じる
性欲減退
性欲が低下する
これらの症状は、前立腺炎以外にもさまざまな病気で起こる可能性があります。心配な場合は、泌尿器科を受診して、適切な診断を受けることが大切です。問診、尿検査、前立腺エコー検査や採血検査を行い、診断します。
前立腺炎の原因
前立腺炎は、大きく細菌感染と非細菌感染に分けられます。
細菌感染
- 大腸菌などの細菌が尿道から前立腺に侵入
- 急性細菌性前立腺炎:発熱、悪寒、強い痛みなど
- 慢性細菌性前立腺炎:上記よりも症状が軽い
- 性感染症:クラミジア、淋菌など
非細菌感染
- 細菌感染以外の原因
- 慢性非細菌性前立腺炎:原因が不明
- 前立腺の血流障害
- ストレス
- 尿路感染症の繰り返し
前立腺炎の種類
前立腺炎は、症状の期間と原因によって、以下の4種類に分類されます。
急性細菌性前立腺炎
- 細菌感染によって起こる
- 発熱、悪寒、強い痛みなど
- 抗生物質による治療が必要
慢性細菌性前立腺炎
- 急性細菌性前立腺炎が慢性化した
- 抗生物質による治療が必要
慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)
- 原因が不明
- 排尿症状や局所症状
- 抗生物質は効果がない
- 薬物療法、物理療法、生活習慣改善など
無症候性前立腺炎
- 症状がない
- 検査で偶然見つかる
前立腺炎の治療法
前立腺炎の治療法は、種類によって異なります。
急性細菌性前立腺炎
- 抗生物質を数週間投与
- 入院が必要になる場合もある
慢性細菌性前立腺炎
- 長期間の抗生物質投与
- 慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)と同様の治療法
慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)
- 抗生物質は効果がない
- 以下の治療法を組み合わせる
- 薬物療法:α遮断薬、抗炎症薬、漢方薬など
- 物理療法:温熱療法、電気療法、マッサージなど
- 生活習慣改善:排尿習慣の改善、ストレス解消、運動習慣など
無症候性前立腺炎
- 治療は必要ない
- 定期的に検査を受ける
前立腺炎と生活習慣
前立腺炎の予防や症状の改善には、以下の生活習慣が大切です。
- 水分を十分に摂る
- 排尿を我慢しない
- 適度な運動をする
- ストレスを解消する
- 規則正しい生活を送る
- バランスの良い食事を摂る