急性陰嚢症
急性陰嚢(いんのう)症とは?
急性陰嚢症とは、陰嚢(いわゆるおちんちんが入っている袋のこと)が急に痛み、腫れてしまう病気の総称です。思春期の男の子に多くみられます。
急性陰嚢症の症状
主な症状としては、以下のものが挙げられます。
- 陰嚢の痛み:突然、激しい痛みを感じることが多く、歩くのもままならないこともあります。
- 陰嚢の腫れ:痛みと同時に、陰嚢が赤く腫れ上がります。
- 吐き気や嘔吐:痛みがあまりに強い場合は、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
- 発熱:高熱が出ることもあります。
急性陰嚢症の原因
急性陰嚢症には、いくつかの原因が考えられます。
- 精巣捻転:精巣がねじれてしまい、血液が流れなくなり、痛みや腫れを引き起こします。最も緊急性の高い疾患です。
- 精巣上体炎:精巣の上にある精巣上体が感染によって炎症を起こす病気です。
- 精巣付属器捻転:精巣の付属器がねじれてしまう病気です。
急性陰嚢症の病気の種類
急性陰嚢症は、主に以下の病気によって起こります。
- 精巣捻転:精巣がねじれることで起こる最も一般的な原因です。
- 精巣上体炎:細菌感染などが原因で精巣上体が炎症を起こす病気です。
- 精巣付属器捻転:精巣の付属器がねじれることで起こる病気です。
- 陰嚢外傷:陰嚢をぶつけたりして、外傷によって起こる場合があります。
- その他の病気:陰嚢水腫、鼠径ヘルニアなど、他の病気も原因となることがあります。
急性陰嚢症の治療法
急性陰嚢症の治療法は、原因によって異なります。
- 精巣捻転: 精巣への血流が途絶えてしまうと、6時間以内に血流が再開しない場合精巣の壊死(えし)が始まるとされています。従って、早期に手術を行い、ねじれた精巣を元の位置に戻す必要があります。泌尿器科疾患の中でも、緊急性の高い疾患の一つとなっています。
- 精巣上体炎:抗生物質による治療が中心となります。
- 精巣付属器捻転:保存的な治療(安静、冷やすなど)で経過を見る場合と、手術が必要な場合があります。
注意
急性陰嚢症は、放置すると重篤な状態になる可能性があります。特に、精巣捻転は、早期の診断と治療が重要です。
受診の目安
- 陰嚢に突然激しい痛みを感じた
- 陰嚢が赤く腫れ上がった
- 発熱がある
- 吐き気や嘔吐がある
上記のような症状がある場合は、すぐに泌尿器科を受診しましょう。
夜間などは、泌尿器科医がいる救急外来の受診をお勧めします。