過活動膀胱
過活動膀胱について
トイレが近い、我慢できない、尿漏れ…そんなお悩みはありませんか?
過活動膀胱とは、様々な原因で膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていないにもかかわらず、急に尿意をもよおしたり(尿意切迫感)、尿漏れ(切迫性尿失禁)してしまう状態をさします。
加齢に伴って過活動膀胱の罹患率は上昇し、40歳以上から増え始めます。日本では1000万人以上の患者がいると言われています。男性は前立腺肥大症に合併することがあります。男女比は約6:4となっています。原因は不明の事もありますが、下記の様にさまざまです。
- 加齢
- 肥満
- 出産
- 前立腺肥大症
- 糖尿病
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 薬の副作用
診断と治療
検尿、残尿検査、腹部エコー検査を行い、膀胱炎や排尿障害の有無をチェックします。問診で得られた症状を手がかりに、原因がわかれば原因の治療を目指します。また、ご自宅でどのような排尿をしているか確かめる場合に、排尿記録をつけていただく場合もあります。原因特定が困難な場合や慢性疾患が原因と考えられる場合は、行動療法や薬物療法を考えます。
- 生活習慣の改善:水分摂取量の調整、体重減少、禁煙、節酒、骨盤底筋トレーニングなど
- 行動療法:膀胱訓練、排尿間隔延長訓練
- 薬物療法:抗コリン薬、β3刺激薬
- 手術療法:膀胱拡張術、神経調節療法
難治性過活動膀胱に対し、ボツリヌス毒素膀胱壁注入療法
生活習慣の改善
- 水分摂取量:1日1〜2リットル程度を目安に、カフェインやアルコールの摂取を控える
- 体重減少:肥満は過活動膀胱のリスクを高めるため、適度な運動と食事療法で体重を減らす
- 禁煙:喫煙は膀胱の筋肉を刺激するため、禁煙する
- 骨盤底筋トレーニング:骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れを防ぐ
行動療法
- 膀胱訓練:トイレに行く時間を徐々に延ばしていく
- 排尿間隔延長訓練:排尿の間隔を一定に保つ
薬物療法
- 抗コリン薬:膀胱の筋肉の働きを抑える
ソリフェナシン、フェソテロジン、イミダフェナシン - β3受容体刺激薬:膀胱の筋肉を弛緩させる
ミラベグロン、ビベグロン
過活動膀胱の治療で手術を行うことは稀です。しかし、これらの治療を行っても改善が無いような難治性の過活動膀胱に対しては、ボツリヌス毒素膀胱壁注入療法が選択されます。