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前立腺肥大症

前立腺は膀胱の下にあるクルミ大の臓器(約15-20ml)で、尿道を取り巻くように存在し、精液の粘液成分を作る役割をしています。前立腺肥大症は、加齢にともなって発症し、50歳頃になるとおよそ30%の男性が罹患します。その後、加齢とともに罹患率は上昇します。加齢や男性ホルモンの影響で前立腺が肥大し、尿道が圧迫され、排尿に関する様々な症状が現れます。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の主な症状は以下の通りです。

頻尿

夜間や早朝にトイレに行く回数が増える

尿意切迫感

トイレが近いと感じ、我慢するのがつらい

残尿感

排尿後も膀胱に尿が残っている感じがある

排尿困難

尿が出にくい、勢いが弱い

夜間頻尿

夜中にトイレに行くために目覚める

尿漏れ

 

これらの症状は、生活の質を大きく低下させる可能性があります。

前立腺肥大症の診断

検尿

尿の性状(尿が汚れていないか)

超音波検査

尿が溜まった状態で、前立腺の大きさの測定や、形状を確認する※経腹的(お腹の上から超音波を当てる)と経直腸的(肛門から細い超音波器具を挿入する)の方法があります。
当院では「経腹的」を採用しています。

直腸指診

側臥位(横向きに寝た姿勢)となり、肛門から人差し指を挿入して前立腺部分の膨らみ具合、表面の性状、硬さなどを診断します。

尿流量測定

尿を溜めた状態から、計測器のついた便器に排尿して、尿の勢いを調べる

PSA検査

PSA(前立腺特異抗原)を測定し、前立腺がんの疑いが無いか調べる

前立腺肥大症の治療法

前立腺肥大症の治療法は、病状の進行度や患者さんの希望に合わせて選択されます。

薬物療法

前立腺の肥大を抑制したり、尿道括約筋を弛緩させたりする薬を服用する

手術療法

薬物療法で効果が不十分な場合や、重症な症状がある場合に施行する

薬物療法

薬物療法は、前立腺肥大症の第一選択治療です。
主に以下の3種類の薬が使用されます。

α1遮断薬

尿道括約筋を弛緩させ、尿の通りを改善する(タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル)

PDE5阻害薬

前立腺、膀胱などの血流を改善し、排尿しやすくする(タダラフィル)

5α還元酵素阻害薬

前立腺の成長を抑制する(デュタステリド)

※ 副作用が心配な方は、漢方薬などの処方もします。

手術療法

薬物療法で効果が不十分な場合や、重症な症状がある場合は、手術療法が検討されます。
手術療法には、以下の種類があります。

経尿道的前立腺切除術 (TUR-P)

尿道から内視鏡を挿入し、肥大した前立腺組織を電気ループで切除する方法

経尿道的光選択的前立腺レーザー蒸散術 (PVP)

尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを当てて肥大した前立腺組織を蒸散させる

経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP)

レーザーを当てて肥大結節を核出(くり抜いて除去)する

開腹前立腺摘除術

下腹部を切開して、肥大した前立腺組織を摘除する

 

前立腺肥大症の手術療法の種類は、上記以外にもたくさん存在します。レーザー技術が進歩した過程で、いろいろな治療法が開発されました。総じて、レーザーを用いた治療法は出血が少ないというメリットがあり、多くの施設で主流となる治療法です。また、入院期間が短くてすむ事も挙げられます。

これらの治療方法は、病院や施設によって採用している治療法が違い、やり方も様々です。詳しくは、病院ホームページに記載されている場合がありますので、確認してみるといいでしょう。

当院では、患者様に合った治療方法を選択肢として提示し、知識を共有し、患者様自身に選択していただける様に丁寧な診療を心がけています。わからないことや知りたい情報がありましたら、いつでもご相談ください。

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