排尿困難
排尿困難とは?
排尿困難とは、尿が出にくい、尿をするのに時間がかかる、尿の勢いが弱いなど、尿をスムーズに出すことが困難な状態を指します。年齢を重ねるにつれて、あるいは何らかの病気や障害によって起こることがあります。
排尿困難の原因
排尿困難の原因は、「下部尿路の通過障害」や「膀胱の収縮障害」が考えられます。
下部尿路の通過障害をきたす疾患
- 前立腺肥大症:男性によく見られる病気で、前立腺が大きくなることで尿道が圧迫され、排尿が困難になります。
- 骨盤臓器脱:女性の場合、子宮や膀胱が骨盤から下にずり落ちることで、尿道が圧迫され、排尿困難が起こることがあります。
- 尿道狭窄:尿道が狭くなることで、尿の流れが妨げられます。
- 尿路結石:尿路に結石ができて、尿の通り道を塞いでしまうことがあります。
- 膀胱がん:膀胱にできた腫瘍が尿道を圧迫したり、尿の流れを妨げたりすることがあります。
泌尿器周辺の他臓器や泌尿器につながる神経の障害が原因となるもの
- 神経因性膀胱:糖尿病や脊髄損傷などによって、膀胱をコントロールする神経に障害が起こり、排尿困難になります。陰部や臀部にできた帯状疱疹などでも、排尿困難が見られる場合があります。
- 薬の副作用:一部の薬は、排尿困難を副作用として起こすことがあります。
排尿困難の処置や治療法
排尿困難の治療法は、原因によって異なります。
薬物療法
- 前立腺肥大症:αブロッカーや5α-還元酵素阻害剤など、筋肉を弛緩させたり、前立腺を縮小させたりする薬が使用されます。
- 神経因性膀胱:膀胱の収縮を促す薬や、尿道を弛緩させる薬などが使用されます。
手術療法
- 尿道狭窄:狭くなった部分を切開したり、ステントを挿入したりする手術が行われます。
- 尿路結石:主に内視鏡を用いた経尿道的砕石術や結石除去術が行われます。
- 膀胱がん:腫瘍の大きさや場所に応じて、内視鏡手術、開腹手術、放射線療法などが行われます。
カテーテル
尿が自力で出せない場合、カテーテルを挿入して尿を出すことがあります。
ここに挙げた疾患は、代表的なものにすぎません。排尿困難を感じたなら、我慢せずに、早めに泌尿器科を受診するようにしましょう。